コンテンツにスキップする

女性管理職の転職が年々増加

2019年1月~2025年12月のJACの転職支援実績のデータをもとに男女別の動向分析を行いました。この結果、ハイクラス人材の転職は相対的に堅調な動向が続いており、なかでも女性管理職の転職が増加傾向にあることが分かりました。
国連女性機関によると、2026年の時点で、女性が持つ法的権利は世界中で男性が持つ権利のわずか64%に過ぎず、仕事、金銭、安全、家族、財産、移動、事業、退職といった生活の基本的な分野において、女性を組織的に不利に扱っているといいます。このメッセージを踏まえ、JACが支援した女性人材の転職動向を調査し、今回は企業という組織の中で責任と権限を持つ管理職というポジションへの転職を果たした女性管理職の転職事情について考察しました。

【調査概要】 
調査期間: 2019年1月~2025年12月
調査方法: JAC Recruitmentの転職支援データの分析
調査対象者: JAC Recruitment が転職支援をした男女

JACの転職支援実績における女性の転職者数の推移

総務省統計局の労働力調査によると、国内の転職希望者は、2019年対比で175万人増の1,023万人となっているのに対し、実際の2025年度の転職者は2019年度との対比では、23万人の減少(▲6.5%)となりました。2024年比でも約1万人の減少となっており、さらに内訳をみると、男性は2万人増加、女性は3万人減少となっています。

一方で、JACが転職を支援するミドルクラス・ハイクラス人材の2025年の転職者数は、2019年対比で約1.7倍へと拡大しており、さらに、女性の転職者数にフォーカスすると、2025年は2019年の約2倍に増加しています。特に直近の3ヵ年では相対的に女性の転職数の伸び率が大きい傾向がみられ、JACがサポートした転職者に占める女性の割合も(依然として2割前後ではあるが)、徐々に増加する傾向にあります。
このように、女性人材の流動化は、特にミドルクラス・ハイクラス層において着実に進んできていることがわかります。

JACの転職支援実績における女性管理職者数の推移

また、JACが転職を支援した女性で、管理職として転職をした人数は上記の通り年々増えています。2025年は部長級での転職件数がやや減少していますが、本部長級以上の転職件数は2019年の12.5倍と大きく増えています。

考察

出典:内閣府男女共同参画局ホームページ

世界経済フォーラム(WEF)の「Global Gender Gap Report」(グローバル・ジェンダーギャップ・レポート、世界男女格差報告書)の2025年版で、日本の総合順位は、調査対象148ヶ国中118位(総合スコア0.666)でした。特に政治分野と経済分野のスコアは著しく低く、これらが日本の総合順位を押し下げる主な要因となっています。
令和5年度の厚生労働省の調査によると、管理職等に占める女性の割合は、係長相当職で19.5%、課長相当職で12.0%、部長相当職で7.9%にとどまっています。政府は、男女がともに希望する働き方を選択できる環境の整備を進めており、2026年4月の女性活躍推進法の改正では、従業員101人以上の企業において「女性管理職比率」等の公表を義務化するなど、企業の積極的な対応を求めています。

そのような状況下で企業各社が女性管理職を増やすべく、管理職候補となり得るメンバーの育成や、女性が働きやすい職場環境の整備、アンコンシャス・バイアスを排除した評価制度の整備など、様々な取り組みを実施していますが、業態によっては新卒採用時の女性採用比率が低く、現時点で管理職登用できる女性がいないという現実もあります。

当社のコンサルタントによると「かつての終身雇用を前提とした場合の『管理職』は、その会社に添い遂げて、メンバーよりも高い貢献度を求められ、常に上の役職を目指していくポジションのイメージがあったように感じますが、昨今の転職による人材流動化の中で管理職のキャリアが、自分の強みであり、どこでも通用するポータブルスキルであることが認識されてきていると思います。」との理由で、全くの異業界からも管理職として転職する女性は増えており、女性管理職の少ない業界等でロールモデルとしても活躍する女性も出てきています。 一方で、「単純に女性管理職を増やしたいというだけで部下がおらず、本来の管理職業務ができない管理職採用であったり、プロパー社員でないと部長以上になれない職場に就職してしまったため、再度転職を考えたいとご相談をいただくこともあります。」といった実情もあり、優秀な女性管理職を採用したいと考える企業は、女性管理職を増やすことの意義や必要性を改めて認識することが求められています。

この記事の担当コンサルタント

バックオフィス

水上 悠一

コーポレートサービス第2ディビジョン 部長

日系中堅~小規模企業、IPOフェーズ企業の管理部門全般を網羅しており、特に管理職クラスや専門性の高いポジションの採用/転職支援の経験が豊富。 実際の面談や商談も行い、日々マーケットの動きをキャッチアップしている。求職者、クライアントと直接対話することによって、求職者のコアキャリアと今後キャリア形成を踏まえた求人のご紹介、クライアントの経営課題の解決につながるご紹介を心掛けている。

バックオフィス

大村 薫子

コーポレートサービス第1ディビジョン マネージャー

2024年1月に立ち上げた日系大手~準大手企業の人事・法務・総務などの管理部門職種を専門に支援するチームに在籍し、メンバーとともに職種理解の深いプロフェッショナルコンサルタントを目指して業務に従事。SDGs・CSR・ESGなどの職種に関する理解も深めており、中長期的な企業経営や登録者のキャリア理解を心掛けている。

調査レポートトップ