
愛知県・三重県・岐阜県・滋賀県にある企業で①経営者として働く20代~50代男女/②経営企画に携わる20代~60代男女を対象に、「新規事業展開における課題」について調査しました。また、調査結果について当社コンサルタント2名が解説します。主な調査結果は以下の通りです。

【「新規事業展開における課題」調査概要】
■実施時期:2024年11月25日(月)〜11月27日(水)
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:調査回答時に
①愛知、三重、岐阜、滋賀の企業の経営者として働く20代~50代男女
②愛知、三重、岐阜、滋賀の経営企画に携わる20代~60代男女と回答したモニター
※本調査は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
目次
約7割の経営者・経営企画部門従事者が新規事業を検討
愛知・三重・岐阜・滋賀の経営者・経営企画部門従事者の69.8%が新規事業を検討
愛知、三重、岐阜、滋賀の企業の経営者20代~50代男女、および経営企画に携わる20代~60代男女の合計569人に、新規事業を決定している、もしくは検討しているかを聞きました。
「新規事業の展開を視野に入れている」と答えたのは全体の69.8%で、397人となりました[図1]。
従業員数規模[図2]、売上規模[図3]で比較するとやはり規模が大きいほどその割合は増えますが、従業員数で50人以上、売上で5000万円以上になるとあまり差はみられず、規模にかかわらず、新規事業を検討している企業が多いことがわかります。
![[図1]新規事業展開の検討](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図1]新規事業展開の検討.png)
![[図2]従業員数規模別、新規事業検討の有無](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図2]従業員数規模別、新規事業検討の有無.png)
![[図3]売上規模別、新規事業検討の有無](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図3]売上規模別、新規事業検討の有無.png)
新規事業の決定・検討理由第1位は「新たな収益源の確保」
次に、新規事業を検討していると回答した経営者、および経営企画に携わる男女397人に、新規事業を決定した、もしくは検討している理由を聞きました[図4]。
「新たな収益源を確保するため」が全体の約4割(39.8%)で1番多い回答となり、続いて「競争力を強化するため」27.7%、「市場の成長が見込まれるため」27.0%と続きます。
![[図4]新規事業の決定・検討理由](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図4]新規事業の決定・検討理由.png)
8割以上が新規事業を異業種で検討
新規事業を異業種で検討している経営者、経営企画従事者が8割を超える
新規事業を検討していると回答した経営者、および経営企画に携わる男女397人に、 新規事業として検討している事業が既存事業と同じ業種となるか、異業種となるかを聞いたところ、80.5%が異業種での新規事業を検討していると回答しました[図5]。
新規事業検討理由である「新たな収益源の確保」の多くが、異業種での展開で検討されていることも推定されます。
![[図5]新規事業の業種](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図5]新規事業の業種.png)
新規事業として考える事業分野は全体では自動車関連事業が多いが、
異業種の検討では建設・不動産事業が1位
具体的に、検討している業種を聞いたところ、同業種、異業種の合計では「自動車関連」、「建設、・不動産」、「金属製品」「電気機械」、「一般・精密機械」と続きましたが、異業種だけだと「建設・不動産」、「一般・精密機械」、「エネルギー・環境」、「小売業」となります[図6]。加えて、「自動車関連」、「電気機械」、「金属製品」では同業種での新規事業を検討していることが多いとわかります。
![[図6]新規事業として検討している業種](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図6]新規事業として検討している業種.png)
新規事業に必須であり不足しているのは「人材」
新規事業を始めるにあたって最も重要なのは「人材の確保」
新規事業を検討していると回答した経営者、および経営企画に携わる男女397人に、新規事業を始めるにあたり最も重要と考えるものを聞くと、「人材の確保」が31.7%と最上位となりました。「資金調達」(16.6%)、「技術」(13.9%)と続きますが、「社内教育および人材育成」(13.1%)についても重要視されており、新規事業における人材の重要性が明示された結果となりました。[図7]。
![[図7]新規事業を始めるにあたって、最も重要と考えるもの](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図7]新規事業を始めるにあたって、最も重要と考えるもの.png)
新規事業を始めるにあたって不足しているのもまた「人材」
また、同時に新規事業を始めるにあたって現在不足していると考えているものを聞いたところ、「人材の確保」が46.1%と抜きんでて1位となりました。また、「社内教育および人材育成」も27.0%で2位となっており、新規事業を検討するにあたっては「人材」に大きな課題があることが浮き彫りとなりました[図8]。
![[図8]新規事業を始めるにあたって、不足しているもの](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図8]新規事業を始めるにあたって、不足しているもの.png)
新たに獲得する人材に求めるものは専門的なスキルと経験
新たに確保する人材に求めるものを聞いたところ「専門的な知識・スキル」(41.8%)、「コミュニケーション能力や対人スキル」(31.5%)、「実務経験や業界知識」(28.5%)が上位を占めました[図9]。
以下に続く「問題解決力や柔軟な思考」(24.7%)、「リーダーシップやマネジメント能力」(24.4%)といった回答からも、これから育成が必要な未経験の人材ではなく、経験を生かした即戦力が求められていることが推定されます。
![[図9]新たに獲得する人材に求めるもの](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図9]新たに獲得する人材に求めるもの.png)
社外の組織に求めるのは業界ネットワークとノウハウの提供
新規事業を始めるにあたって、社外組織に求める支援について聞いたところ、「業界内外のネットワーク構築」(36.0%)、「業界内のリーディングカンパニーとの協業によるノウハウ提供」(30.5%)、「事業立ち上げノウハウの提供」(25.2%)と続きました。また、金融機関や公的機関からの支援も期待されています[図10]。
![[図10]新規事業を始めるにあたって、社外組織に求める支援](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図10]新規事業を始めるにあたって、社外組織に求める支援.png)
新規事業の展開先は国内が約8割。海外は7割がアジアを検討
約8割が新規事業の展開先として国内を検討
新規事業を検討していると回答した経営者、および経営企画に携わる男女397人に、新規事業の展開先を国内か海外かを聞くと、「国内」が77.8%、「どちらも視野に入れている」が12.9%と合わせると80.7%を占めました。
一方で「海外」は9.3%にとどまり、「どちらも視野に入れている」と合わせても22.2%となりました[図11]。
![[図11]新規事業の展開は国内 or 海外](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図11]新規事業の展開は国内-or-海外.png)
海外展開先としては約7割がアジアを検討
また、海外の進出先として決定・検討している地域はアジアが65.9%と最も多く、北米は34.1%、ヨーロッパは31.8%となりました[図12]。
![[図12]海外進出を決定・検討している地域](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図12]海外進出を決定・検討している地域.png)
海外進出にあたっては「海外拠点の立ち上げノウハウ」を特に重要と考える
海外進出にあたって特に重要と考えるものを聞いたところ、48.9%が「海外拠点の立ち上げノウハウ」をあげました。「現地人材の確保」(36.4%)と「現地パートナー企業」(33.0%)が続き、現地で着実に事業を立ち上げ、早期に軌道にのせるための人材とノウハウが必要とされていることがわかります[図13]。
![[図13]海外進出にあたり、特に重要と考えるもの](https://research.jac-recruitment.jp/wp-content/uploads/2025/03/[図13]海外進出にあたり、特に重要と考えるもの.png)
コンサルタントによる調査への見解
今回の調査結果について、ジェイ エイ シー リクルートメントのコンサルタントは下記のような見解を述べています。
新規事業のいち早い立ち上げのためにスキルと経験がある専門人材の求人が増加
名古屋地域は自動車産業が盛んな地域ですが、自動車のEV化が進み自動車関連メーカーは大きな変革を迫られています。また、愛知県や周辺自治体では、自動車産業に限らず、新規事業やスタートアップの積極的な支援を打ち出していることもあり、今回の調査で「新規事業の展開を検討している」の回答が約7割というのは、納得の回答でした。一方で、新規事業に関わる求人については、まだまだ中堅規模以上の企業からが圧倒的に多いため事業規模で100名以下の企業でも高い比率で新規事業の展開を検討していることについて(図2)は、意外でした。
新規事業に関わる求人は2018~2019年ごろから出てきてはいましたが、2020~2021年は新型コロナ感染症拡大時期であったこともあり、ここ2~3年で急激に増えた印象です。また、以前は外部コンサルタントを入れて事業を立ち上げ、将来的に活躍する人材ということで比較的若い人材が採用されることも多かったようですが、現在は事業の立ち上げだけでなく、収益事業としていち早く安定させるために、即戦力となる人材を求める企業が増えています。企業側の採用本気度が増している印象で、求められるスキルや経験は具体的で、職位も管理職以上といった高年収帯の方が決まっています。
また、事業内容にかかわらず、新規事業の立ち上げにあたっては圧倒的にIT人材のニーズが高く、事業にあわせたシステムの立ち上げや、データ解析、アプリの開発など、様々な分野の専門人材が求められます。
既存設備や既存事業ノウハウを生かした新規事業展開
新規事業としての建設・不動産分野で求人を企業から預かることはほとんどありませんが、事業形態を問わず「建設・不動産」の事業を検討している数が多い(図6)のは、所有している土地や建物の有効活用といったことが推定されます。 実際の建設・不動産では、都市開発に関わる求人が多いです。
自動車関連企業が同じ分野で新規事業を検討しているというのは(図6)、これまでのノウハウや人材を活かして新たな収益源を模索している証ではないかと考えられます。また、自動車部品の関連企業が既存の設備やノウハウを活かして、医療器具や航空産業での新規事業を展開している事例もあり、M&Aなどの事業企画や販売ルートの開拓といったネットワークを持った人材のニーズも出ています。
最近はカーボンニュートラルの取り組みの一環として「環境・エネルギー」を新規事業として検討している企業も多いと考えられます。実際に「環境・エネルギー」に関連する職種の求人はここ数年で増加しています。
この記事の担当コンサルタント

大学卒業後、メガバンクを経てジェイ エイ シー リクルートメント大阪支店に入社。福岡支店長を経て2025年より名古屋支店長。東海・西日本エリアにおいて、特に管理職クラスや専門性の高いポジションの採用/転職支援の経験が豊富。自身の転職経験や、管理職としての失敗経験を糧に「関わる人に良い影響を」をモットーに日々目の前のお客さまに選ばれ続ける仕事を心がけている。

中小領域から大手領域までの製造業部門と企業のキーとなる経営層採用を担当するエグゼクティブ部門を管轄するディビジョンの責任者として従事。
コンサルタントとしても企業の規模問わず、経営課題の解決や未来を担っていく新しい事業を作っていくポジションでの採用支援に強みを持つ。外国人の採用を含めてグローバル採用においての経験も豊富に保有。